📢2025年、中小企業にも広がる賃上げの波
- 9月5日
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2025年の春闘結果では、大企業の平均賃上げ率が 4%を超え、中小企業でも 3%前後 の賃上げが見込まれています。これは過去30年で例を見ない高水準です。背景には以下の要因があります。
物価高の長期化:2022年以降、消費者物価指数は前年比2%台が続き、生活コストが恒常的に上昇。
人手不足の深刻化:有効求人倍率は全国平均で1.3倍台、製造業や介護・IT分野では2倍超という地域も。
政策的要請:政府は「持続的な賃上げ」を経済成長の柱と位置付け、補助金・税制優遇を通じて中小企業にも圧力を強めています。
つまり賃上げは「やるかやらないか」ではなく、時代の要請として迫ってきているのです。
⚠️賃上げによるリスクの実像
1. 固定費の膨張
給与が一度上がれば、翌年以降も 恒常的な固定費 となります。例:社員100名・平均給与500万円 → 3%の賃上げで 1,500万円増。
2. 社会保険料の自動的な増加
給与が上がると、厚生年金や健康保険料の企業負担も上昇。人件費1,500万円増に対し、約250~300万円の社会保険料増が発生。合計で 1,800万円超の固定的負担 に。
3. 資金繰り悪化のリスク
利益が出ていても、
法人税
賃上げ分の人件費
増加する社会保険料に資金が吸い上げられ、キャッシュ不足が生じやすくなります。特に中小企業は内部留保が薄いため、銀行融資に依存する割合が高まりやすい点もリスクです。
🔍見逃されがちな「付随的リスク」
昇給が連動する諸手当 基本給が上がれば、住宅手当・役職手当など「給与に連動する手当」も自動的に増える場合が多い。
退職金の増加 退職金規程が「最終給与×勤続年数×係数」で計算される企業では、将来の退職金総額が膨張。
賞与負担の増大 賞与を「基本給×○ヶ月」で算定している場合、給与ベースアップがボーナスにも波及。
これらは「目に見えにくいが確実に効いてくるリスク」として注視が必要です。
📊今後の予測
最低賃金の上昇が続く 政府は2030年までに「全国平均1,500円」を目標に掲げており、年率3%程度の上昇ペースが見込まれています。
人材獲得競争の激化 少子高齢化により、2025年から2030年にかけて労働人口はさらに減少。賃上げに応じない企業は採用市場で不利に立たされる可能性大。
中小企業の二極化 「賃上げに対応できる企業」と「賃上げできず人材を失う企業」の格差が拡大。事業承継・M&Aの増加要因になると予測されています。
📝まとめ
賃上げは「社員の生活改善」という側面だけでなく、企業にとっては 長期的に固定費を押し上げるリスク でもあります。物価高・人手不足・政策要請の三重圧力により、今後数年は 年率2~3%の賃上げが常態化 する可能性が高いでしょう。
経営者にとって重要なのは「単年度でどう乗り切るか」ではなく、中長期的に賃上げを継続できる体制をどう作るか です。